umindalen

本と映画,カイエ.umindalen@gmail.com

雑記

読書会のこと

ブログを更新するために文章を書くのは実に虚しいうえにただの恥さらしなので,どうすべきかいつも逡巡してしまうのだけれども,今日は大学で偶然に会ったひとと久しぶりに人間らしい会話ができて機嫌がよいので,書いてみることにした.あとで思いや考えの…

言葉への讃歌

いつの間にこんなことになってしまったのか,というのはつねに見当のつかない困った問いであるが,本のページを繰っていてふと,やはりわたしは文字のひとつひとつから一冊の書にいたるまで,いろいろなスケールで言葉というものが好きなのだなあとしみじみ…

秋の土曜日,日記

目下のところ世界がわたしに対してたいそう親密であり,初めノートにさらさら書こうとしていたことを,なんとなくこちらへ認めようという気がしたので,そうする.大切なのはぼんやりとした全体の構想を揮発させないことだ.急げ.とりこぼすな. よく晴れた…

地下室の手記

「やっとくたばりやがった.俺はこいつみたいに内面のないやつは嫌いだ.おまえに内面はあるか」 ―映画『冷たい熱帯魚』より 暗澹として内向的になってきたので,どんなふうにものを書けばいいのかということについての感覚が戻ってきた.よいことだ.世の中…

明け方の肌寒い十月初め

台風が過ぎてからよい天気が続いているが,秋の長雨はまだ終わっていないのか,よくわからない.傘を差しながら出かけていくのは気が進まないけれど,暑いよりかは肌寒くて薄暗いくらいの気候のほうがいくぶんか気性に合っているように感じられる.加えて,…

tranquilizer としての語学

すこしまえから,ほとんどすべて忘れたフランス語をやり直している.とにもかくにも,なにも余計なことを考える必要がなくて,かけた時間だけ成果が目に見えるもの,そういうものを無心にやっていようと思った.疲れたら積み上がっている本でもなんでも読め…

九月の初め,雨に冷えた日

なにをしていても現実感が乏しく,ただ底深い悲しみがすっかりわたしをひたしているような感じがしてだめなことが多い.堂々巡りの考えをいったん保留にしておいて,気力を絞ってとりあえずちゃんとした食事を摂り,小康の安寧において机に向かって筆を執る…

夢想するユニバーサル横メルカトル

しかし,たとえ私たちの過去が,現在の行動の必要によって制止されるので,私たちにほとんどまったくかくされているとしても,私たちが有効な行動の関心を去って,いわば夢想の生活にもどるたびごとに,それは再び識域を超える力を見いだすだろう.(中略)…

道化を演ること,サルトル『嘔吐』再読

部屋を出て,約束通りに喫茶店へ向かった.タクシーに向かって右手を挙げ,煙草に火を点け歩いた.それからタクシーなど見てはいなかったが,それはまるで普通に客を乗せるように,私の前に停車してドアを開けた.少し面食らったが,自分が手を挙げたのだか…

話し言葉と書き言葉

わたしはどうにも会話をするのが不得手であると自分で思っているのだが,これはそもそも話し言葉の特質のようなものによっているのではないかと,なんとなく思ったので書き留めておく. 大学の友人たちとはどうせ無茶苦茶な言葉の応酬しかしないので,そうい…

酒やめむそれはともあれ永き日のゆふぐれごろにならば何とせむ

本来ならば,終日一歩も外に出ずただ頭のなかだけで考えたことを書きつけたいのだが,これがうまくまとまらない(寝かせるうちにこちらの気分がころころ変わるので,書き足すと内容の統一感が失われたりする)ので,またまた遊興日記のごときものである.友…

本の話をしたという話

ふだんレジ打ちの店員さんとしか言葉を交わさないわたしであるが,久しぶりに人間と会って,コーヒーを飲みながら(ほかのひとらは煙草も吸いながら)だらだらと書物やらなにやらについての四方山話をしたところ,(ちょろい性格をしているので)精神が虚無…

24時間営業のファミレスはとてもありがたい(と,すこし映画のこと)

インターネットには一切の人間味を感じさせないひとというのがたまにいるものである.生活感や私情をその投稿のどこにも読みとることができず,ただその類いまれなる日本語のセンスだけで勝負しているような,そういうひと.正直けっこう憧れるところがある…

久しぶりに朝まで飲んだ

さほど友人が多くもなく出不精であるわたしにとっては,ときたま気心の知れた人間と飲みに行くだけでもそれなりに特筆すべきイベントである.よい酒席というのはなにかしら感銘を与えてくれて,まあ,さしあたり明日からもまた生きていくかという気分にさせ…

あつき日は心ととのふる術もなし心のまにまみだれつつ居り

このあいだの連休ですこし実家へ戻り,久しぶりに間近で生い茂る植物を見るような思いがした.きれいに晴れて,ときおり着衣の下を吹き抜ける風が汗を乾かしていく日であった.とくに柿の木は,年季が入ってごつごつした,あまり健康そうには見えない樹皮と…

本好きの幸と不幸

この記事であるが,ちょこちょこいじるうちに,書き始めてからとうとう三ヶ月も寝かせてしまった(時季のことなのに!).いつまでも下書きで引っ張るわけにもいかないので,そろそろ公開する. 京都で,みながよくやるように持て余した時間を使って鴨川の河…

雑記,というより断片

無聊を持て余している.だんだんと日記や Twitter との区別がつかなくなってくるかもしれないが,まあそれでもよかろう. 家の近所の方で,プランターや植木鉢をたくさん並べて幾種類もの植物を育てておられるひとがいる.ついこの間まで葉のすべて落ちたか…

「人薬」の験あらたか

ひとと会うとたいがいはなんともいえない居心地の悪さを覚えるわたしであるが,そのぶんたまには感動するほどの出会いもある.これほどに気分がよくてはしゃいでいるのはほんとうに久しぶりかもしれないので,書き留めておくのも悪くないだろう.「人薬(ひ…

死ぬことを持薬をのむがごとくにも我はおもへり心いためば

自殺を思うことは,すぐれた慰めの手段である.これによってひとは,かずかずの辛い夜をどうにか堪えしのぐことができる. ―ニーチェ『善悪の彼岸』信太正三訳 「使やしないよ.僕は使やしない.あの時の話のように,ただ自由を持っていたいだけだ.これさえ…

猫について

来れ,わが麗しき猫,わが戀の炎ゆる心に. 汝が趾の爪をかくして, 金銀と瑪瑙の混れる美しき眼の中に わが體を投入れしめよ. ―ボードレール『猫 LE CHAT』,鈴木信太郎訳 学部を卒業してこのかた,友人は減ることこそあれ,増えることはない.一時は人間…

洒落と散文

Twitter を彷徨していると,ときおりほとほと感心させられるようなセンスあふれる呟きに出会うことがある.たいていは諧謔の一行である.諧謔は短ければ短いほどよいが,それはおもしろさを説明するのがより難しくなるからであろうか.発信する側と受け取る…

ブログを書く

どうしてブログを始める気になったかと言えば,ある程度まとまった量の改まった文章を,ひとの目に触れうる(だから,批判されうる)形で書くということは大切であろうと考えたからという,月並みな理由による.Twitter で短い思いつきを,別にただの冗談で…

名刺代わり

そこそこの数の記事を書きためれば,このブログは名刺代わりになって便利なのではないか,というようなことを考えていた.この歳にもなれば,積み上げてきた経験は各々そうとうに異なるものであるから(なのにいつでも人間とはその身一つとしてわれわれの知…